Terrainと私
こんにちは、宮野原宮乃です。
VRChatというソーシャルVRゲームの中で「ワールド」を作っています。
この度「VR Architecture Award(VRAA)」に応募したこともあって、あらためてワールド製作について思うところを書いてみますね。
私は2018年の5月19日からVRChatを始めました。
VRChatというのは、VRで人と接することができる空間で「アバター」と呼ばれる3Dモデルを身にまとい様々な「ワールド」を訪れて会話したりゲームしたり、日常生活をそこで過ごすことができます。
私にとって衝撃的だったのは、無数に存在する「ワールド」の大半がVRChatのプレイヤーが自作して投稿したものだったことです。
もともと文章を趣味で書いていて自分の世界を構築することは好きだったんですが、描写について読み手に伝えるのに言葉を連ねることがどうも苦手でした。
誰にでもわかるよう伝えようとすると、どうしても冗長になってしまいますし。
なので「作った世界に入れる」のは物凄く魅力的でした。
説明するのに一言もいりませんから。
入れば分かる。
なので、私の作ったワールドには基本的に説明文がほぼありません。
少しくらいの齟齬は、文章での解釈違いに比べたら些細なものです。
文章を入れることで世界観を壊したくなかった。
初めて使う開発ツール「unity」と格闘しながら、公開・非公開含めて無数のワールドを作っています。
転機になったのは2019年3月頃に作った「twilight forest」と2019年4月頃に作った「spring nohara」です。
unityには「Terrain」という、地形製作ツールがあります。
起伏を作ったり草木を生やしたり、製作者の思うまま地形を作り出すことができます(制限はありますが)。
上記二つのワールドはTerrainによって作られたワールドで起伏や草木で見通しが悪く、しかも広い。
VRChatのワールドの広さは部屋程度のものが多く、広くても他のプレイヤーが視界に収まる程度という印象が強いです。
人とコミュニケーションをとるのが主目的なVRChatで、会えないほどの広さはあまり必要がないせいでしょうか。
でも私は一人旅が好きなせいもあって、コミュニケーションを取らずに静かに散策するような世界を創ってみたかった。
世界をさまよって孤独を感じたり、自分だけの景色を見つけて欲しかった。
または友人数人と観光気分で散策して、見つけた景色を共有して欲しかった。
そんな気持ちで楽しく作ることが出来ました。
おかげさまでVRChatのプレイヤーの方にはおおむね好評で、特に「spring nohara」は楽しそうにしている様子をSNSで見かけるなど作ってよかったと心から思っています。
「Terrainと私」とタイトルを付けましたが、このあたりから本題です。
私は3Dモデリングが全くできません。
絵心もありません。
技術力もまだまだです。
苦手だし、克服しようと頑張るよりもっと楽しい事に時間を費やしたい性質です。
ただ、オリジナルアバターを作ったり、独自のシェーダーを書いたりできる人に対して心のどこかでずっと劣等感を抱いていたのだと思います。
私がワールドを作るにしても、既に用意されているアセットストアやboothにあるものを組み合わせていくのが殆どです。
1を組み合わせて10のものを作ることはできますが、0から1を生み出す事はそれよりずっとずっと難しい。
そんな私にとってTerrainは大変救いになりました。
最初に置いたばかりのTerrainは真っ白なキャンバスです。
こねくりまわして自由に地形を作るのは私に合っていて、すごく楽しいです。
オリジナルな地形を作る。
私にとって0を1にできる無くてはならない機能です。
次に作ったワールド「chinjyu forest」は、私の思い出の風景や想像を織り交ぜて私だけのオリジナルを意識して作った初めての場所で、今のところ私の代表作と思っています。
VR Architecture Award(VRAA)が開催されるという事で、 chinjyu forestをコンパクトにして応募しようと思ったのも、私がこのワールドが好きだから以外の理由はありません。
強いて言えば、気分によって滞在する世界の雰囲気を選べたら面白いというのが理由でしょうか。
山中の水没しかけた社で静かにすごすなんて現実ではほぼあり得ないでしょうし。
chinjyu forestをはじめ、私のワールドは基本的に重めです。
リアルタイムライトで濃い影を付け、草木も好き放題生やします。
自分の環境でカメラを出したときに45fps出ていればいいやくらいの調整しかしていません。
そのうちもっと軽量化を覚えていこうと思っていますが、今はこれが精一杯。
それよりもやりたい事を盛り込む方を優先しています。
自分が楽しめないと続かないと思うので。
お金をもらっているわけでもないし(小声)。
VRChatで遊んでる人も、技術的なこととか気にせずもっと気軽にワールドを作ってほしいです。
というか自分の世界が好きに作れるなんて、もう作るしかないでしょう?
アバターの改変を覚えるより先にワールド作ってました(イキリ)!
先日作った「秋枯 - fall of leaves -」にも遊びに来て下さいね!
記事ってこんな感じでいいんでしょうか。